エージェントエクスペリエンスとは?

カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)はよく知られていますが、エージェントエクスペリエンスについてはあまり知られていません。エージェントエクスペリエンスとは、コールセンターのオペレーターが日々の業務を通じて遭遇する体験のことです。エージェントエクスペリエンスは、トレーニング、テクノロジー、スーパーバイザー、スケジュール、顧客対応、企業ポリシーなど、さまざまな要因によって左右されます。エージェントエクスペリエンスは、オペレーターの満足度に影響し、顧客へのサービスの質にも影響するため重要です。また、多くのコールセンターが抱える欠勤率や離職率にも関わってきます。

エージェントエクスペリエンスは、採用から退社まで続きます。顧客体験と同様、エージェントエクスペリエンスも多くの要素から構成されています。コールセンター業界では、オペレーターの年間離職率が30~50%と言われており、多くの課題があります。特にコールセンターという、不満を抱えた顧客とやり取りを毎日行う仕事の性質を考えれば、妥当な数値かもしれません。仕事の内容が原因で辞める人もいれば、職場での人間関係、十分な評価を受けていない、キャリアアップしにくいといった、コールセンター側で管理や改善可能な理由で辞める人もいます。

エージェントエクスペリエンスを高めるには

優れたエージェントエクスペリエンスを実現することは、オペレーターの満足度や生産性を高め、最終的に顧客サービスを向上させるために不可欠です。以下では、コールセンターのエージェントエクスペリエンスを高めるためのヒントをご紹介します。

  1. トレーニングの提供:オペレーターに必要な知識とスキル習得を促し、顧客対応を効果的に行えるよう、初期または継続的なトレーニングプログラムを実施します。トレーニングでは、商品やサービスの知識、コミュニケーションテクニック、問題解決、難しい顧客への対応などをカバーする必要があります。
  2. 自主性を促す:ガイドラインの範囲内で、オペレーターが独自に意思決定し、顧客の問題を解決できるような環境を作ります。オペレーターに自主性を与えることでオペレーターの自信につながり、仕事への満足度を高め、迅速な問題解決を可能にします。
  3. オープンな職場環境: オペレーターが評価され、周りからサポートされていると感じられるような職場環境を作ることが重要です。オープンなコミュニケーションを促し、定期的なフィードバックを提供し、オペレーターが不安や提案を言える場を作ることが必要です。
  4. ツールの使いやすさ: CRMシステム、ナレッジベースルーティングソフトウェア、コミュニケーションツールなど、使いやすく効率的なコールセンターツールをオペレーターが利用できるようにします。ワークフローを簡素化し、技術的なハードルを最小限に抑えることで、オペレーターは優れた顧客サービスの提供に集中することができます。
  5. 公平な評価: オペレーターの成果を公平に評価する評価プログラムを導入する必要があります。これには、インセンティブ、ボーナス、社内評価、キャリアアップの機会などを含めることができ、モチベーションと達成感を高めることができます。
  6. ワークライフバランスの充実: 柔軟性のあるシフト調整、シフトローテーション、個人的なニーズに対応した休暇制度などを提供し、オペレーターの健全なワークライフバランスを実現する必要があります。これにより、オペレーターの燃え尽き症候群を防ぎ、仕事への満足度やモチベーションを高く維持することができます。
  7. キャリアアップの機会: コールセンター内でのキャリアアップと昇進のための明確なパスを示す必要があります。オペレーターが新しいスキルを習得し、さらなる責任を担い、研修プログラムや資格取得に参加する機会を提供します。
  8. チームビルディング:オペレーター同士の協力やチームビルディング活動を促します。チームミーティング、グループプロジェクト、社交イベントを通じて仲間意識を高め、前向きなチーム文化を促進することで、オペレーターのモチベーションを向上させ、孤立感を軽減します。
  9. 定期的なフィードバック:定期的なフィードバックとコーチングセッションを設け、パフォーマンスと目標のギャップを明確にし、オペレーターのスキル向上を支援します。オペレーターが課題について話し合い、質問し、建設的なフィードバックを受けられる場を設けることが重要です。
  10. 継続的な改善: オペレーターと顧客からのフィードバックに基づいて、コールセンターのプロセスを継続的に評価し、改善します。プロセスの改善についてオペレーターにも意見を求め、必要であればオペレーターの提案も改善内容に取り入れます。

エージェントエクスペリエンスを向上させるには、オペレーターの育成、福利厚生、エンゲージメントを考慮することが重要です。これらの戦略を実施することで、コールセンターは働きやすい職場環境を作り出し、オペレーターの満足度を高め、応対品質を改善し、全体的なビジネス成果の向上にもつながります。

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