カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、商品の利用やサービス、プロモーションなどを通じて、顧客が企業に対して抱く印象のことです。「顧客体験」や「顧客体験価値」とも言われます。CXは企業の利益にも影響を与えるため、昨今注目が集まっています。
例えばECサイトで買い物をする際の注文から配達までの一連の流れ、カフェで飲み物を注文した際の店員の対応やサービス、ソーシャルメディア上での企業の広告や投稿など、インターネットや店舗、レストランなど、日常のさまざまな場面にCXは存在します。
カスタマーエクスペリエンス(CX)とカスタマーサクセス(CS)は、似たような言葉ですが、その目的と対象が少し異なります。CSは、企業のサービスや製品を活用し、顧客の目標を達成することを目指します。一方でCXは、顧客と企業のあらゆる接点における体験の質を上げることを目指しています。
簡単にいうと、CSは顧客が掲げる特定の目標に対して支援するのに対し、CXではあらゆる顧客体験を向上させる全体的な取り組みという違いがあります。
CXは消費者の感情に左右されやすく、例えば、ソーシャルメディア上での投稿が原因で企業の評判が悪くなると、その評判を回復するのは簡単ではありません。企業にとって、顧客体験を常に念頭に置き、行動することが重要になっています。
ガートナーの調査によれば、調査対象の企業のうち3分の2が、CX強化に取り組んでいると回答し、その数は今後さらに増加すると予測しています。かつて、企業の競争といえば、価格と品質が中心でしたが、インターネットの普及やソーシャルメディアの浸透により、インターネットとリアルをつなぐシームレスな体験やSNS上での口コミ、オンラインカスタマーサービスなども企業にとって重要になっています。こうした現在のビジネス環境を 「エクスペリエンスエコノミー」と捉えることもあります。
消費者と企業をつなぐ接点は非常に多くあるため、企業は包括的なアプローチを取る必要があります。CX向上に力を入れる企業では、カスタマージャーニーにおけるすべてのタッチポイントでのCX設計、顧客のニーズを総合的に分析するVOC分析や専任のチームの立ち上げなどを実施しています。
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