VOC(顧客の声)とは?
VOC (Voice of the Customer) とは、顧客の声を意味し、お客様アンケートや満足度調査などを通じて収集できるレビューや満足度指標、さらにはSNS上での書き込み、コールセンターに寄せられる意見や苦情の電話なども含まれます。簡単にいうとVOCとは、企業やサービスに対する顧客からのフィードバックです。VOCを収集し、それらのデータを分析することを「VOC分析」と呼びます。顧客の声に耳を傾けることで、製品やサービスの強化に繋げることができます。さらには、質の高い顧客体験の提供や収益向上といったビジネス全体にも大きく影響します。こうしたVOCの収集から分析、活用までに至る一連の流れを「VOC活動」と呼びます。
VOC活動によるメリット
VOCをうまく活用することで、ビジネスに大きなメリットがあります。ガートナー社のレポートによると、VOC活動を積極的に行なっている企業は、そうでない企業に比べ顧客を維持するのに25%のコストを節約できることが明らかになっています。顧客からのフィードバックは、マーケティング、営業、カスタマーサービス、製品開発など企業のさまざまな部門にとって役立つものであり、各部署の成果の改善につながります。VOC活動の始め方
VOC活動を行う前に、まずは現状の課題や仮説を洗い出します。これらをしっかりと定めることで、どのようなデータをどのように収集するかという方向性を明らかにすることができます。例えば、以下のような例です。- サブスクの更新率が第四半期では20%低下したのはなぜか
- Webサイトのデータによれば、注文フローの特定の段階で離脱が多い。これを解決するには、どのような改善が必要か
VOCの収集方法
VOC活動では、顧客の意見の全体像を把握するために、複数のソースから継続的に顧客フィードバックを収集することが必要です。VOCを収集する際は、アンケート調査、インタビュー、ソーシャルメディア上の書き込みの収集など、定性・定量両方の方法を用います。VOCを集める上でコールセンターデータの活用は欠かせません。コールセンターは顧客の声が集まるデータの宝庫でもあり、応対後のアンケートを実施することで、顧客満足度、ネットプロモータースコア(NPS)、カスタマーエフォートスコア(CES)など、重要な指標に関するデータを収集することができます。押さえておきたいのは、アンケート調査では特定の質問に対する答えのみ収集できるのに対し、顧客インタビューや実際の顧客の問い合わせ音声などは、それよりも多くの情報を収集することができるため、2つの手法を組み合わせながら、顧客の声を全体的に分析することが重要です。VOC活動で成果を上げた企業事例
以下では実際にVOC活動を行い、ビジネスに良い結果をもたらした成功事例についてご紹介します。- 解約要因を把握し、顧客ロイヤリティを高めた事例
年間 50万件の問い合わせを処理する通信会社では、解約率の低減やロイヤリティ強化を目的にVOC活動を行なっていました。同社ではコールセンターのVOCツールを利用することで、解約リスクの高い顧客を特定し事前の対策を可能にするのと同時に、顧客のニーズを捉え先回りすることで、NPSスコアの大幅な改善や顧客離れを最小限に抑えることに成功しました。 - 包括的なVOC活動で収益の向上を実現した事例
世界5カ国で展開する金融サービス会社では、クローズドループを構築し、顧客ロイヤリティに影響を与える要因を探ることにしました。顧客へのインタビューやオムニチャネルでのアンケート調査を行い、世界中の顧客からVOCを収集し、600人を超える従業員がそのデータにアクセスし、効果的に行動できるような体制を整えました。結果として、既存サービスの収益向上だけでなく、競合と差別化を図れるサービス展開や新サービスの開発などを実現することができました。
VOCツールを活用し分析を自動化
ビジネスの成長に欠かせないVOCですが、実際に活動を行うとなるとリソースや手間の問題で、後回しにしてしまうケースも少なくありません。そこで、役立つのがコールセンター向けのVOCソリューションです。これにより通話だけでなく、メールやチャットなどあらゆる場所で顧客からの声を収集することができます。さらに、AIや機械学習などの最新のテクノロジーを組み込むことで、文章や音声などを見やすいデータや洞察へと変えることが可能です。NICEによるCX向上支援
NICE CXoneは、チャネル、データ、アプリケーション、ナレッジを1つのプラットフォームに集約し、CXをダイナミックに向上させる、インタラクション中心のプラットフォームです。NICE CXoneは、規模を問わず世界中の企業で導入され、卓越したCXの実現を支援しています。クラウドネイティブのプラットフォームは、企業のニーズに合わせて柔軟に機能を追加、拡張することが可能で、コールセンターの運営を総合的に支援するよう設計されています。Back to Glossary