失敗しないコールセンターシステムの選び方。比較時にみるべきポイント

執筆者: Jennifer Wilson
July 19, 2023

コールセンターソフトウェアにはさまざまな製品や機能があり、どれが自社にとって一番良いのかを選ぶのは、大変な作業です。一方で、カスタマーエクスペリエンス(CX)が重視される今日、顧客の期待に応えつつ、DXやAI活用などのイノベーションを取り入れたコンタクトセンターを構築するには、何が必要なのでしょうか。

この記事では、そうした次世代のコンタクトセンターを構築する上で必要な機能や、システムの選び方のポイントをご紹介します。

コールセンターソフトウェアに求められる機能とは

顧客の要求は、ますます厳しくなっています。顧客は、素早いサポートをより多くのチャネルでスムーズに受けることを期待しています。

しかし、コンタクトセンターが応えなければならないのは、顧客の期待だけではありません。規制要件、予算、従業員の期待にも応える必要があります。コンタクトセンターのテクノロジーは、様々なステークホルダーの期待に応えるための、多様な機能を持つ必要があります。

コールセンターソフトウェアを選ぶ際のポイント

以上を踏まえて、コールセンターソフトウェアを比較・選定する際の7つのポイントを以下では見ていきます。

1.オムニチャネル対応は必須

今日のカスタマージャーニーは複雑化しており、一般的に複数のタッチポイントを伴います。かつては簡単だった問題解決までの道のりも、デジタルチャネルの普及と多様化に伴い、より煩雑になっています。

顧客が問題を解決する際に、まず企業サイトのFAQで答えを探し、答えが見つからなかった場合はチャットボットに聞き、チャットボットがうまくいかなかった場合は最終的に電話をかける、といった例は、今日においてよくあるケースです。

こうしたケースに対応するには、以下のような機能を押さえておく必要があります。

オムニチャネル対応

電話やメールだけでなく、チャットボットやSNS、アプリなど多様化する顧客の好みに合わせて、コンタクトセンターもサポートを提供する必要があります。システムが必要なチャネルに対応しているのか、将来的に別のチャネルを簡単に追加できるのか、という点を選定の際には見ておく必要があります。

オムニチャネルでのルーティング

複数のチャネルから入ってくるすべての問い合わせを効果的に管理・分配するには、オムニチャネルルーティングの機能が必要です。この機能には、オペレーターの個々のスキルや能力、問い合わせ内容や顧客の性質を考慮した上で、ルーティングすることが含まれます。

2.入電数を減らすセルフサービス

Salesforce社が公開した調査によれば、66%の消費者がGoogleなどの検索エンジンや企業のWebサイトで問題を解決したい、と回答しています。また、簡単な質問や問題であれば、FAQやサポートコミュニティのようなセルフサービスチャネルを積極的に利用したいと回答した人は全体の7割近くにのぼりました。

このように顧客の自己解決を促すことは、顧客がいつでも好きな時に問題を解決できるだけでなく、コンタクトセンターへの問い合わせ数を減らすことにもつながります。

ナレッジマネジメント

FAQやナレッジ共有ツールを導入しているものの、活用しきれていないと感じている人もいるのではないでしょうか。高度なナレッジマネジメントシステムであれば、Webサイト、チャットボット、オペレーターの応対中など、必要な場所で回答を提供します。これにより、顧客が利用するあらゆるチャネルで一貫した情報を受け取ることができ、コンタクトセンター全体で一貫した応対品質を提供することも可能です。

対話型IVR

電話は今でも最も広く利用され、好まれるチャネルの1つですが、すべての電話応対でオペレーターのサポートが必要というわけではありません。会話型IVRは、AIを活用し、より自然で満足度の高いセルフサービス体験を提供します。顧客は、要件を音声で話すだけで、会話型IVRがそのプロセスを自動で案内します。IVRが顧客の自己解決をサポートすることで、入電数を減らすことができます。

バーチャルエージェント

バーチャルエージェントは、デジタルチャネルやIVRに導入可能なスマートなボットです。オペレーターのサポートにとどまらず、問い合わせ内容の確認から処理までをこなすことができるものもあり、銀行やクレジットカード会社におけるカード解約や、飲食店での注文状況確認など幅広いユースケースがあります。

3. 生産性を向上させるAI活用

コンタクトセンターでAIを使用することは、企業の運営やカスタマーサービスを提供する上で、大きな優位性となります。コンタクトセンターソフトウェアを選ぶ際には、AIを使用しているプラットフォームを探すとよいでしょう。以下は、AIを活用したソリューションの例です。

AIによる高度なルーティング

オペレーターの対応により、通常の応対から素晴らしい顧客体験へと変化させることができます。AIルーティングは、顧客の性質や嗜好を考慮することで、顧客とオペレーターのマッチングを改善することが可能です。そして、同じような顧客に対応した実績のある有能なオペレーターを探し出し、最高のマッチングを実現します。

すべての応対をAIで正確に分析

AIを搭載した応対分析ツールにより、電話やメール、チャットなどあらゆるチャネルにおけるすべての応対をリアルタイムでモニタリング、品質チェックすることが可能になります。これにより、正確にオペレーターの応対品質を評価できるだけでなく、顧客の感情、コールリーズン分析、今後の問い合わせ予測など、より深いレベルでの分析が可能となります。

リアルタイムで応対業務をサポート

応対品質の向上に頭を悩ませているスーパーバイザーは、少なくはないでしょう。AIを活用したリアルタイムガイダンス機能を活用すれば、顧客の感情やオペレーターの発言内容を見て、リアルタイムでオペレーターをコーチングし、会話を改善するためのアドバイスを提供します。その場で、応対品質向上のための施策を実行できるため、スーパーバイザーはマネジメント業務にかける時間を減らすことができます。

4.他システムとのスムーズな連携

優れたコンタクトセンターソフトウェアは、他のシステムと連携することで、さらに効果を発揮します。例えば、CRMとの連携により、オペレーターがパーソナライズされた体験を提供するために必要な、顧客データにすぐにアクセスできるようになります。

5.機能の使いやすさ

ACDやIVRで特定のルールを設定する際に、設定から運用まで簡単に操作できるか、ということも重要です。操作が複雑だと、運用までに時間がかかり、料金がかさむこともあります。コンタクトセンターソリューションは、技術的な知識がなくても社内の誰もが簡単に設定でき、変化する状況に迅速に対応できるものが良いでしょう。

6.業務効率を上げる自動化機能

カスタマーサービス担当者の1日は、繰り返しの多い単調な業務が多く、その多くは自動化することが可能です。RPAによる自動化は、このような負担を軽減し、精度を向上させ、人手不足に対処するのに役立ちます。NICEが提供するRPAでは、自動化業務の選定から設定、運用までを自動で行う機能を提供し、短いリードタイムでの自動化実現が可能です。

7.在宅勤務に対応したシステム

新型コロナウイルス拡大により在宅勤務がコールセンター業界でも一気に広まりましたが、その傾向は今後も続くでしょう。NICEが行った調査によると、コンタクトセンターの70%が、コロナ後もオペレーターの在宅勤務を継続すると回答しています。また、人材不足という問題に対応していくためにも、より柔軟な働き方に対応した機能が必要となります。

NICEのコンタクトセンターソリューション

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NICE CXoneの特徴

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