小規模コールセンターを成功に導く鍵は?成功事例や運用ポイントを解説

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執筆者: NICE スタッフ
January 15, 2025

世の中がますますデジタル化するにつれ消費者は、企業やコールセンターの規模を問わず、利便性に優れたカスタマーサービスを期待しています。消費者のニーズが高度化、多様化する上で、それに対応できない場合、競合に顧客を奪われるといったリスクも生じています。本記事では、小規模コールセンターに焦点を当て、中小企業がコールセンターを運営する上での課題をどう乗り越えるか、についてお伝えします。

小規模コールセンターとは?

小規模コールセンターは、通常10〜50名程度のオペレーターで運営され、中小企業や特定の部門内で運営されるコールセンターを指します。大規模なセンターに比べると、予算や人材で制限があるものの、企業文化を徹底しやすい、フラットな組織構造、意思決定が迅速といったメリットも小規模コールセンターにはあります。

小規模コールセンターのよくある問題

中小規模コールセンターが抱える課題は、以下のようなものがあります。

十分な予算やリソースがない

小規模コールセンターでは、予算が限られていることも多く、DXAI活用など新たな取り組みを始めようと思っても、予算採りが難しく現状のシステムに依存せざるを得ないような状況もあります。また、社内に専門の担当者がいることも少なく、そのため少ないリソースで、業務を運営しなければなりません。こうした理由から、業務効率化や生産性向上のための新たな取り組みやイノベーションまで、なかなか手が回らないという課題を抱えているコールセンターは多いでしょう。

人材確保が難しい

多くの企業が人材不足という問題に直面する中、小規模コールセンターも例外ではありません。人材を確保しても、離職率が高いと、新たな人材の採用、そして1からトレーニングを行わなければならず、結果として採用コストが高くついてしまいます。オペレーターの働く環境整備やパフォーマンス評価、トレーニングなど課題は山積みにありますが、限られたリソースで運営している場合、すべてに時間をかけることができない、と感じている担当者は少なくないでしょう。

小規模コールセンターの運用ポイント

上記のような課題に対し、中小企業はどのようなアプローチができるのか。小規模コールセンターを運営する上での重要なポイントを以下でご紹介します。

1.クラウドコールセンターの導入

予算が限られているからといって、DXやAIなど最新のテクノロジー活用を諦める必要はありません。クラウド上で利用できるコールセンターサービス(CCaaS)を使えば、より簡単にコストを抑えて、最新の機能を使うことができます。クラウドツールであれば、機能の追加や削除が容易なので、規模や企業のニーズに合わせてさまざまな機能を柔軟に調整することが可能です。また、保守やメンテナンスもベンダーが受け持つため、社内に専用のIT人材を確保する必要性もありません。

クラウドコールセンターソフトがもたらすメリット

  • インターネットとパソコンがあれば利用が可能でリモート体制にも最適
  • 費用対効果に優れている
  • ユーザー数や席数に応じた利用料金(1席から始められるサービスもあり)
  • サポートやセキュリティ、メンテナンスをベンダー企業に任せられる
  • DX支援やAI活用など最先端の機能が気軽に使える
  • 今後会社の規模が大きくなった場合でも、柔軟に対応

2.在宅オペレーターの活用

少数精鋭の体制で最大の成果を上げるためには、徹底的な品質管理と柔軟な人員配置が不可欠です。在宅オペレーターを雇うことで、人件費や施設費用を大幅に抑えることができます。また、自動でオペレーターの応対内容を評価したり、個々のオペレーターに対し弱点や課題に応じたプログラムを提案するツールを使えば、センターの管理者が研修やサポートにかける時間を減らすことができ、経験の浅いオペレーターでも質の高い対応が可能になります。

3.オペレーターの負担を減らすオムニチャネル対応

電話対応だけでなく、メール、チャット、SNSなど多様なチャネルを活用することで、人間のオペレーターが対応する問い合わせ数を減らします。これは入電数の削減に役立つだけでなく、顧客にとっても、いつでもどこでも問い合わせができるので、顧客体験の向上にもつながります。また、本人確認や問い合わせ内容の把握をデジタル化することで、オペレーターによる対応時間を減らし、人的ミスを減らすこともできます。

4.セルフサービスの強化

よくあるお問い合わせやAIチャットボットとの対話で、顧客が自己解決を促すことで、オペレーターが対応する件数を減らすことができます。また、顧客にとっても電話をしたりメールを書くことがハードルになるケースもあるので、自分で簡単に答えを見つけるセルフサービスを利用することで、顧客にもメリットがあります。

小規模コールセンターの取り組み事例

以下では、上記のような課題を抱えつつも、テクノロジーや戦略を変更することで、課題解決に至った中小企業のコールセンター事例をご紹介します。

ECサイト運営企業の事例

事業規模が大きくなると、それに合わせてコールセンターも拡大し、コストや複雑さが増すのはよくあることです。アパレルECサイトを運用するDSW社も同様の課題を抱えており、予算面からコールセンターの座席を増やすことは難しい、という判断に至りました。そこで、増えると問い合わせに対し、IVRに会話型のAIチャットボットを実装することで、以前は人間のオペレーターが行なっていた本人確認プロセスを自動化することに。これにより、平均処理時間を2分短縮することができ、顧客の待ち時間が減ることで、満足度向上にもつながる結果となりました。

BPO中小企業の事例

営業コンサルティングと営業アウトソーシングを手掛けるゲートファーム社では、メンバーはすべてリモートで働いており、セキュリティ強化や予算を抑えて利用できるコールセンターソリューションを探していました。そこで席数に関係なく始めることができ、セキュリティの信用度が高い、クラウドコンタクトセンターソフトウェアを導入し、導入後すぐに接続率の向上や音質の改善といった効果を実感することができています。

ゲートファーム社の事例詳細

IT中小企業の事例

従業員50名ほどのソフトウェア開発会社では、2~3人のカスタマーサポート担当者でコールセンターを運営していましたが、事業の拡大とともに急増する問い合わせへの対応が課題となっていました。そこで、顧客対応の効率化のためこれまでの問い合わせ内容分析から、よくある問い合わせ内容を集約したナレッジベースを構築し、24時間対応が可能なAIチャットボットを導入することで、営業時間外の問い合わせや、専門性を必要としない簡単な問い合わせに対して、自動回答できるようなシステムを構築。結果として、サポート担当者の数を増やさずに、問い合わせ増に対応することができるようになりました。

小規模コールセンターは、限られたリソースやテクノロジーを最大限に活用することで、大企業に引けを取らないカスタマーサポートを実現できます。テクノロジーの戦略的導入、柔軟な人材活用、継続的な改善が成功への鍵となります。

小規模コールセンター運営に最適なNICEのソリューション

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