eNPSとは?
eNPS(Employee Net Promoter Score®)とは、従業員が自分の職場を家族や友人へ勧めたいと思う意欲を測定する指標です。eNPSはアンケート調査をもとに算出され、会社に対してどれだけ愛着を持ち、働き続けたいと思っているかを示す指標として活用されます。また、企業はeNPSの結果をもとに
離職率低下 や
従業員の意欲向上 に向けた取り組みを実施できます。
eNPSの仕組み
eNPSは顧客が企業を誰かに勧める可能性を調査できる、
NPS(Net Promoter Score) の概念に基づいて算出されます。eNPSはNPSと形式が似ており、「この会社を職場として勧める可能性は0~10でどのくらいですか?」という質問が出されます。記述欄も用意しており「なぜその数字を選んだのか」が回答できるようになっていることも特徴です。
9もしくは10と回答した人は企業を他者へ勧める可能性が高いと判定され、推奨者と呼ばれます。逆に、0~6と回答した人は勧める可能性が低い批判者、7もしくは8と回答した人は中立者と分類されます。企業のNPSは推奨者の割合から批判者の割合を引くことで算出でき、中立者は計算から除外します。
eNPSの計算方法
実際の計算式を見てみましょう。eNPSスコアは、従業員を以下の3つのカテゴリーに分類し、計算します。スコアは-100から100で計算されます。
従業員に「あなたはこの会社を友人や知人に働く場として推奨しますか?」といった質問を行い、0~10のスケールで回答してもらいます。0~10までの回答により、回答者を以下の3つのカテゴリーに分類します。
eNPSは以下のような計算式で算出されます。
(推奨者の割合−批判者の割合)/全回答者数×100=eNPSスコア
例えば、推奨者が60%、中立者が20%、批判者が20%の場合は以下のような式になり、eNPSスコアは40となります。
eNPSを計測するポイント
eNPSは質問が簡単なので容易に集計でき、継続的に収集すれば追跡調査も可能です。また、回答を精査していくためには、四半期ごとや半年に1回の実施がよいとされています。さらに、都度eNPSの結果に基づく企業側の改善施策を従業員へ公表していくとよいでしょう。従業員が考えていることや意見についてより詳しく調査するためには、eNPSと他の指標を組み合わせるのが有効です。
eNPSスコアを上げるには?
eNPSスコアを高めることで得られるメリットは、離職率の改善や従業員のモチベーションアップだけにとどまりません。離職率が低減することで、人材採用や研修にかけるコストが減り、従業員の意欲が向上することで、特にサービス業の場合はより高い品質のサービスにもつながるため、会社全体にとって大きなメリットがあります。以下では、スコアを上げる取り組みについてみていきます。
単に調査をして終わるのではなく、そこから寄せられた従業員の声にしっかりと耳を傾けることが重要です。特に批判者の意見を分析し、フォローアップ調査などを行うなどして、否定的な意見から、どのような改善を講じられるか考えていく必要があります。
給与が高くなるほど職場への満足度が高まるという調査結果も出ています。逆に言えば、仕事に対して見合った待遇がないと従業員が感じれば、満足度の低下につながるといっても過言ではありません。給与体系の見直しに加え、仕事を評価するインセンティブ制度なども取り入れてみると良いでしょう。また、フレキシブルな勤務形態(リモートワークやハイブリッドワーク)の導入により、ワークライフバランスを改善し、研修やキャリアアップの機会を提供することで、従業員のキャリア成長を促すことも重要です。
中立者は推奨者に変わる可能性が高いグループです。「なぜ7~8点を選んだのか?」 を分析することで、推奨者への転換を図ることも重要です。
eNPSスコアは、企業の健康状態を映し出す鏡です。単発的な調査ではなく、継続的なデータ分析と迅速な改善アクションが重要となります。スコアの経年変化や部門間の差異を詳細に分析し、従業員エンゲージメント戦略を絶えず進化させていくアプローチが求められます。
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