従業員エンゲージメントとは、従業員が企業の目標やビジョンの実現に向けてどれだけ強くコミットしているかを示す概念です。高いエンゲージメントを持つ従業員は、企業に対しての高いロイヤリティを持ち、自発的に通常以上の努力をする傾向があります。一方で注意したいのは、従業員エンゲージメントは従業員満足度とは異なるということです。満足度は主に従業員の満足度を測るものですが、満足しているだけでは必ずしも高いエンゲージメントにつながりません。例えば、ただ出勤して給与を受け取ることに満足している従業員もいますが、それだけでは真のエンゲージメントとは言えません。
従業員エンゲージメントには多くの要因があり、企業レベルで管理されているものもあれば、従業員の上司によって左右されるものもあります。エンゲージメントの高い従業員は、自分の仕事やアイデアが評価されていると感じたり、企業が透明性のあるコミュニケーションをとっていると感じます。企業は従業員を尊重し、従業員の能力やスキルを伸ばし、成長の機会を提供することで、従業員のエンゲージメントを育むことができます。その見返りとして、エンゲージメントの高い従業員は、自分の才能をより多く企業に貢献するようになります。エンゲージメントの高い従業員は、収益や顧客体験にプラスの影響を与えるという研究結果もあるため、企業にとっては非常に重要です。
コールセンターでは、オペレーターが最前線に立って顧客とコミュニケーションを取るため、従業員エンゲージメントが特に重要になります。オペレーターは、顧客の難しい問題に直面しても企業に対してポジティブな姿勢を維持する必要があります。これは高いエンゲージメントがなければ難しいことです。さらに、エンゲージメントの高いオペレーターは、会社の成功にとって顧客がいかに重要であるかを知っているため、顧客をサポートするために最大限の努力を払います。従業員のエンゲージメントを高めることは、コールセンター全体にとって大きな利益をもたらすと言えます。
コールセンターにおける従業員満足度(ES)は、従業員が職場環境や仕事の内容に対して感じる満足度を示す重要な指標です。高いESは従業員のモチベーションや業務効率を向上させ、結果として顧客満足度(CSAT)にも良い影響を与えます。また、ESを高めることで離職率が低下し、採用やトレーニングにかかるコストを削減できるため、コールセンター全体の生産性向上にとっても重要です。ESを測定するためには、従業員からのアンケート調査やフィードバックセッションが有効で、従業員の声を反映させ、職場環境の改善につなげることが可能です。