コールセンターにおけるCPCとは?

CPC(コスト・パー・コール)とは、コールセンターにおいて1回の顧客対応にかかる平均コストを示した指標です。簡単に言えば、1件あたりの応対にかかるコストのことです。この指標はコールセンターの管理者が業務の効率性やコストパフォーマンを評価するために重要な指標です。

CPCの目安

コールセンターにおけるCPCの目安は、業界や提供するサービスの内容、運営規模、地域によって異なります。例えば、通信や小売業界など、定型化でき、専門知識を問わない問い合わせ内容が多い場合だと、200~400円ほどが目安です。一方で、金融や保険、医療といった専門的な知識が必要かつ、問い合わせ内容が複雑で対応時間が長くなるケースが多い場合は、CPCが500~1,200円ほどになるケースが多いです。

CPCには、オンプレミス型なのかクラウド型か、また人件費も大きく影響します。一般的にオンプレミス型は設備投資や運用・保守など、クラウドに比べよりコストがかかる傾向にあります。また、人件費のコストを抑えるため、近年では海外にコールセンターの拠点を置く企業もあります。

CPCは安ければ安いほど良いわけではなく、先述した通り、CPC を下げすぎてしまうと、顧客満足度や応対品質にも影響します。よって、そうした指標に影響を与えないようバランスをとりつつ、またCPCだけでなく、そのほかの指標を組み合わせて、見ることが重要です。

CPC の計算法

CPCを算出するには、以下のように、コールセンターの運営にかかる総費用を処理されたコール数や顧客とのやり取りの総数で割ります。

  • 総運営コストが1ヶ月あたり1,000万円
  • 総対応件数が1ヶ月あたり5,000件

この場合のCPCの計算式は、1,000万円/5,000件=200円となり、1件の応対にかかるコストは200円となります。

運営コストを計算する場合、以下のような費用を考慮します。

1.人件費

対応に携わる担当者や管理者、その他スタッフの給与や福利厚生にかかる費用などが含まれます。

2.システム費用

スタッフが利用するソフトや電話システム、顧客管理ツール、インフラ設備費用などの総額です。

3.運営にかかる間接的な費用

賃貸料、光熱費、オフィス費用や管理費など、直接は関係ないものの必ず必要となる費用です。

4.スタッフの教育費

コールセンタースタッフの教育や研修など、継続的な能力開発にかかる費用です。

5.機器やシステムのメンテナンス費

コールセンターで利用しているシステムや機器などのメンテナンスにかかる費用です。

6.外注費

一部の業務を外部へ委託している場合は、外注費も考慮します。

CPCがコールセンターにとって重要な理由

CPCはコールセンターや企業にとって、以下のような理由で重要になります。

1.コスト管理

コスト削減が可能な分野を特定し、よりコスト効率のよい運営を実現するためにCPCが役立ちます。

2.パフォーマンス測定

CPCはコールセンターの生産性やパフォーマンスを測定するうえで重要なKPIとなります。

3.予算編成

CPCはコールセンターの予算編成や今後の予測を行う際など、リソースの割り当てにも役立ちます。

4.ベンチマーク

CPCを競合他社と比較することで、自社の競争力や効率性を把握できます。

CPCの改善においては、業務プロセスの改善、リソース配分の最適化、システムの強化などに重点的に取り組み、カスタマーサービスの質を落とすことなく効率性を高める取り組みがよく行われています。

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