コンタクトセンターシステムの選定は、重要な投資であり、慎重な選択が求められます。ここでは、 クラウドコンタクトセンター を利用するメリットや、 AI技術を活用した最新機能についてご紹介します。
企業のクラウド移行は年々増加
コンタクトセンターシステムを探している企業は、システムを自分たちのサーバーでホストする「オンプレミス」、ベンダー側がホストする「クラウド」のいずれかをまず決める必要があります。
総務省が2020年に発表したデータ によると、サービス業においてクラウドサービスを利用している企業の割合は、5 9.3%とすでに半数を超えています。また様々な業界で見た場合でも、クラウドサービスの利用率は年々増加していることが明らかになっています。
クラウドコンタクトセンターのメリット
クラウドのコンタクトセンターを利用するメリットは、以下のような点があります。
コストの柔軟性
クラウドコンタクトセンターの料金は、必要な席数によって決まります。一方でオンプレミス型では、通常、ピーク時に必要な席数に合わせてライセンスを購入する必要があります。特にシーズンによってコール需要が異なるビジネスの場合、需要が低い時期でもそれ以上のコストがかかることになります。その点で、クラウドはニーズに合わせて席数や料金を変更できるので、全体的なコスト削減につながります。
IT担当者の負担を軽減
オンプレミス型では、自前でシステムのアップデートを行ったり、 専任の IT担当者を採用してメンテナンスを行う必要がありますが、クラウドの場合はベンダー側がこうした業務を担います。 社内の IT担当者の負担や メンテナンス関連のコストを 軽減することで、その分の時間やリソースを他の業務やビジネスへ再投資することができます。
先ほどの 総務省が発表したデータ を見ても、クラウドサービスを利用している理由において、 「資産、保守体制を自社で持つ必要がないから」と回答した企業が全体の 45.9%で、クラウドを利用する理由の第1位となっています。
変化する状況への迅速な対応
クラウドコンタクトセンターシステムを使用する場合、システムのアップデートはベンダー側が行うため、常に最新の状態にアップデートされたシステムを利用することが可能です。また、ビジネスニーズに応じて新しい機能を追加したり、既存のシステムからの移行もスムーズに切り替えることが可能です。また、災害時においても、クラウドだとネット環境さえあれば場所を選ばず復旧することができるので、有効な BCP対策となるでしょう。
高い拡張性
クラウドが優れている点の 1つとして拡張性(スケーラビリティ)があります。システムによっては、1席から導入することも可能なものもあります。さらに、ビジネスの拡大に伴い席数を増やす場合も簡単に行うことができます。
また、クラウドの優れた連携機能によって、 CRMや社内で使っているコミュニケーションツールなど、 さまざまなツールと連携 することで、データ分析機能を強化したり、業務を効率化させることも可能です。
最新の コンタクトセンターにおける注目機能
最適な クラウドコンタクトセンターシステム は、コンタクトセンターが カスタマーエクスペリエンス( CX )の目標を達成すると同時に、人件費を効率的に管理し、生産性を向上することを可能にします。
以下では、最新のコンタクトセンターに搭載されている機能についてご紹介します。
オムニチャネルでのルーティング
オペレーターのスキルや状況において、コールを自動でオペレーターに振り分ける ACDは、コールセンターの基本的な機能として使われています。
一方で、デジタルチャネルの普及により、顧客が使うチャネルが多様化している現在、さらに高度なルーティング機能が求められます。 オムニチャネルに対応したルーティング機能 を活用すれば、チャネル間をまたいでのルーティングが可能で、顧客はチャネルが変わったからといって、問い合わせ内容や本人確認を繰り返す必要はありません。
また、 AIを活用したルーティング では、 CRM情報や過去の応対履歴に基づき、顧客の嗜好や性格にマッチングするオペレーターを割り当てることも可能です。問い合わせに対応するだけでなく、顧客に寄り添ったパーソナライズサービスを提供することで、サービスレベルをさらに進化させることができます。
音声で操作可能な I VR(ボイスボット)
IVR は、コールセンターでよく使われてきた機能です。従来は、顧客がキーパッドをタップし、必要としているサービスを受けるというのが一般的な流れでしたが、 A Iの音声認識エンジン を搭載した IVR では、顧客が音声で要望を伝えると、 AIが自動で回答します 。これにより、顧客はキーパッドで入力する手間が省け、音声ガイダンスを待たなくとも、自分の要求をすぐに伝えることができます。この仕組みは、ボイスボットとも呼ばれています。
さらに、コールバック機能を備えた IVRでは、オペレーターから電話を受けることができるため、オペレーターに電話がつながるまで長い時間待つ必要もありません。
オペレーターのエンゲージメント向上支援
コールセンターの応対品質を向上させるために、コールのモニタリングやオペレーターの評価は欠かせません。一方で、膨大な量の応対記録からオペレーターのスキルを的確に判断することは難しく、また手作業に依存した評価方法では、属人的な評価にもつながりかねません。
A Iを活用した品質管理ツール では、通話だけでなく、チャットなども含めたオペレーターのすべての応対を記録し、 AIが自動で分析します。各オペレーターの改善点に基づき、必要なトレーニングを提案することで、オペレーターのスキル向上だけでなく、モチベーションアップにもつながります。
包括的な レポート分析機能
応対履歴など多くの顧客の声が集まるコンタクトセンターは、データの宝庫です。そうしたデータを活かすためには、チャネルを横断する包括的なデータ収集と分析が欠かせません。最新のコンタクトセンター機能では、データを分析してレポートを作成するだけでなく、 データに基づいて必要なアクションを AIが自動で提示 してくれるものもあります。
NICE のクラウドコンタクトセンターシステム
NICE が提供する「 CXone 」 は、コンタクトセンター運営に必要な機能が搭載された クラウドコンタクトセンターシステム です。インターネットと PC が1台あれば、どこでもすぐにコンタクトセンターを立ち上げることが可能になります。 1 席から手軽に導入することができ、 オムニチャネル対応 、 RPA 、 顧客分析 など、幅広い コンタクトセンターソリューション で、一歩先を行くコンタクトセンターの構築を支援します。
NICE CXone の特徴
NICE のサービスは、お客様の課題やニーズに応じて、柔軟に対応することができます。コンタクトセンターシステムに興味がある方は、 お気軽にご相談ください 。